|
<< EXIT
::::
NEXT >> |
|
|
全国的に(北を除いて)梅雨、 でも札幌の6月もなんとなく雨がちだったような気がします。 6月は、思う事が多い月、鬱陶しい空気とともに色々と。 会いたい人がいます、行きたい場所があります。 出会ってしまってから密かに自分の中でブームになってしまった映画、 『約束─ラ・プロミッセ』(ドニ・バルディオ 監督/2000年フランス映画)、 一度きちんと‘思い’みたいなものを形にしておこうと思います。 原題はLe Monde De Marty、マーティの世界でしょうか。 アルツハイマー3つの長所 嫌な思い出も忘れる 毎日、新しい友達ができる 嫌な思い出がないこと 体の動きも言葉も失ってしまった70歳のアントワーヌ・ベランと 10歳の暴れ盛りのマーティという愛らしい少年が出会います。 場所は、病院。 これは冬の物語、ママのコート姿が素敵だったりします。 + いい遊び場所を見つけたんだ どこなの? あっち、分からないよね カッコいい人がいた 仲良くした? どうかな スーパーマンに似てた 飛ぶの? 違うよ、座ってた 車椅子で動いていた? じっとして話しもしない それだけ? それがカッコいい 「分かってないね」 + 自分が病気の時、例えば風邪なんかで寝込んでしまった時でも、 なにかとても淋しい、淋しいとはまた違う空虚な気分を味わうもの、 また子供が病気になってしまった時も、親として出来る限りのことはしているものの、 彼がどこか遠くへ行ってしまっていて、帰りを待ちわびているような、そんな気持になる。 病気が治った時には、「おかえり」とでも言いたくなるような、 家中の空気の色がすべて変わるような、そんな感じがする。 美人のママが抱きしめてキスしてくれても、たくさんのおもちゃに囲まれていても、 マーティは独りぼっちだったのかもしれない、病気であるという事実の下に。 一方、失われていく記憶をつなぎ止めようと、静かに戦っているアントワーヌも 「わしが死ねば、みなが楽になる」と思いながら、生きながら死んでいたのかもしれない。 そんな二人が、同じ世界で出会った。 アントワーヌは、始め戸惑いを隠せなかったが、 少なくともマーティにとってアントワーヌは、 彼のサンタクロースみたいな存在だったのではないかと。 ミシェル・セロー演じるアントワーヌが、サンタに見えたのは私だけだろうか?(笑) 病院、アルツハイマーの老人、重い病気の少年となると、 「ああ、あんな感じ」みたいな イメージがあると思う。 でも違うんです。 とにかく中盤まで、マーティとアントワーヌのやり取りが笑える。 アントワーヌがマーティにいいだけ振り回されて絶句、そして可愛らしい。 同じ年頃の子を持つ身としては、さらに笑える。 幼い、幼い、男の子ってこんな感じ。 笑っているうちにこの二人が病院にいる(つまり入院している)ということは、 どうでもいいようになってしまう。 そして、ふとした瞬間に「そうだったね」みたいな気分もやってくる。 こういう部分は、本当に素晴らしい映画だと思う。 人と人とが出会う中で、無意識に与えたり貰ったりするものがあると思う。 それを見せて貰ったような、言葉というコミュニケーション手段を超えたところにあるもの、 例えば、笑顔だったり、ふと肩に置かれた手の温もりだったり、 時に悲し気な表情だったり、ふとした瞬間に見せる視線だったり... 心と心が出会う、魂の次元というか... 話すことのできない(この演技凄い!ミシェル・セロー)アントワーヌの瞳を覗き込み、 心を読み取るマーティの愛らしいこと、このジョナサン・ドゥマルジェも素晴らしい子役。 最後に洋服屋の目にとまった‘赤’、 マーティのダウンベスト、アントワーヌのガウン、アントワーヌの妻のシュザンヌのカーディガン、 そして彼女が編んだと思われるアントワーヌのマフラー、全てが目に染みるような赤だった。 ラストシーンはノエル、つまりクリスマスの日、クリスマスは何か奇跡が起こりそう、 赤はクリスマスカラー、そして...希望を感じさせてくれる色。 今は夏だけれども、素敵なクリスマスプレゼントを貰ったような気分になる映画です。 実は私、4回観ました。 あ〜纏まってないかもしれません。 何か伝わると嬉しいです。 + B.G.M. TORTOISE "STANDARDS" |