<< EXIT :::: NEXT >> May 21,2001 mon.

「服というものは人の身体に合うというよりも人の精神に合うものだ」
光野桃さんの本で出会った言葉。
痒い所に手が届くような気分だった。
しかし、よく考えてみると生活の中で私達が選んで使っていくもの、
すべてが、実はその個人個人の精神的なものと関係していると思う。

好きな洋服、好きなデザイナーの洋服が、
必ずしも、生活の中で着ていて心地いいとは限らない。
若くて独身で自由に使えるお金も沢山あって、毎日がパーティのような時代には
自分をランクアップしてくれそうな洋服だったら、着心地に不安があっても
少々ブランド名やデザイナーにお金を払ってもいいと思った。
今、考えるとそういう過程を通ってきたからこそ、学んだことも沢山ある。

個人的なことで申し訳ないけれど、私はあまり洋服の買い物をしない。
ほとんどの洋服を自分で作るという理由もあるけれど
自分のライフスタイルが落ち着いてくるにしたがって
自分が必要とする洋服の数も決まってくる。
それでも次のシーズンの気配を感じるころ、必ず覗くショップがある。
アニエス・b。
実は、彼女の名前を私のフェイバリットデザイナーに載せていない。
彼女については微妙なのだ。
失礼かもしれないけれど、もっと身近に感じさせてもらっている。
何と言うのか、彼女は生活と洋服の関係をとても大事に考えているデザイナーだと思う。
もう60歳くらいの年齢らしい。
彼女の洋服は、若々しいとか衰えていないとか、そういうことではなく
もっと根底のところでしっかりと購入する側の気持ちを捕えていると思う。
一時、あのロゴつきの洋服を若い子達がこぞって着ていた頃は残念だったけれど、
あのシャツ一つとってみても、とてもよく計算されている形なのだ。
同じような形で実は、身幅や、袖丈、身丈を微妙に変えて数種類を展開。
きれいな色やベーシックな色、そして手頃な価格設定。
オーソドックスなのにやはりアニエスの薫りがする。
「こちらは定番です」という店員さんの言葉は、とても嬉しい。
流行とともに消えていってしまう素敵な洋服が多いこの頃だから。
そろそろ自分自身のペースで流行を作って楽しみたい年齢、
定番はとても役に立つ。
メンズについても40代、50代の年齢でも素敵に着ることのできる洋服が結構ある。
ある雑誌の編集長のYさんからの手紙の文字は、とても味わい深い。
40代後半だと記憶しているけれど、彼の洋服はいつもアニエスらしい。
う〜ん、何となく納得してしまう。
アニエスの洋服は、大人を楽しむ大人の精神にぴったりとマッチするアイテム。
決してアニエスの回しものではありません。(笑)
一度、お話ししてみたかったのです。
アニエス、my love!

EGOCENTRIC BINOCHE Violently Happy