image50 全東洋街道(上下)
藤原新也

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女は眉間から真二つに割れた山羊の頭の部分を皿に移し、
ジンクホワイトの脳にスプーンを入れながら食えと合図する。
ラクー(酒)の肴はこれが最高よ。(トルコ)
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ある人に、「こういう仕事をしたいんだ」と手渡された2冊の本。
それまで写真と言えば、叙情的なものやファッションフォト、
コンセプチュアルなクールなものを好んで見ていた私。
文庫版の小さな写真は、藤原新也氏の目を通して切り取られたドキュメンタリーだった。
こんなドキドキするカラー写真は、初めてだった。
さらに彼の美しく詩的な文章に心魅かれた。
息をのむように読み耽った。
そこにある生と性、媚態の女性、解体され食われるのを待つ山羊の臓物...
異臭さえ想像の中で愛おしいと感じてくる、錯覚?
食、官能、男、女、汗、体液、汚物...
人間を見せつけられる、でもなぜかほっとさせられる。
彼にまとわりついた濃密な時間が、伝染してくる。
人間という生き物の真実。

以下、『全東洋街道』の国々など
イスタンブール、アンカラ、地中海、黒海、シリア、イラン、パキスタン、カルカッタ
チベット、ビルマ、チェンマイ、上海、香港、朝鮮半島、高野山、東京...

(C)1982年 集英社文庫
ISBN4-08-750563-4


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